海外で一定期間働き、日本に帰国後日本の企業で働くというのは、想像以上に逆カルチャーショックを受けるものです。
ちなみに私はが日本が大好きです。外国に比べると良いところだらけで、日本に生まれて本当に良かったと思います。
海外で5年間働きましたが、全然海外に染まっていない純日本人です。大好きだからこそ、こんなことしてるとライバルに負けますという危機感を持っています。
公共財団法人 日本生産性本部によると、日本の労働生産性の実態は下記のようになっています。
「日本の時間当たり労働生産性は47.5ドルで、OECD加盟36カ国中20位。
OECDデータに基づく2017年の日本の時間当たり労働生産性(就業1時間当たり付加価値)は、47.5ドル(4,733円/購買力平価(PPP)換算)。米国(72.0ドル/7,169円)の3分の2程度の水準に相当し、順位はOECD加盟36カ国中20位だった。名目ベースでみると、前年から1.4%上昇したものの、順位に変動はなかった。主要先進7カ国でみると、データが取得可能な1970年以降、最下位の状況が続いている。」
公共財団法人 日本生産性本部ホームページより抜粋
今回は、正直本当にこんなことしてるから日本の競争力なくなってるんだよって個人的に思っていることを書いていきます。
仕事が細かすぎる
日本人の仕事は繊細で質が高いと言われます。それは職人だったらいいのですが、一般のオフィスワークでも仕事が細かすぎると思います。
言葉の意味、定義、数字が少しでも違えばその理由を求められる、細かいことを聞かれるのでそれに答えるための細かい準備をする。あまりに細かいその仕事で何を生み出しているのでしょうか。
日本が100%の精度を求めて細かい仕事している間に、外国では70-80%の精度でどんどん仕事が進んでいます。
無駄な資料ばかり作成している
オフィスで働いている人は多くの時間を資料作成に費やしていることだと思います。ただ上の人を説得するだけの無駄な資料を作り、さらに上の人用には違う資料を作り、他部署にはそれ用に資料を作り・・・。一つのことを進めるのにいくつも同じような資料を作成していることと思います。
いくら資料を作っても付加価値は何も生み出さないことを認識する必要があります。
欧米の資料は一つ作ればそれで終わりです。その資料も今までのデータの貼り付けくらいで終わりです。それでも意思決定がされていきます。
揚げ足を取るような仕事をする人が多い
重箱の隅をつつくような質問ばかりして仕事が進むのを妨げる人が多すぎです。
人に文句を言うことで仕事をしている気になっている人、あなたの周りにもいるはずです。
外国では人の邪魔をするよりも自分の仕事を進めることが最優先なのでそんなことで仕事が停滞することはあまりありません。
会議の時間が長い、そして何も決まらない
とにかく一つの会議で2時間、というのが逆カルチャーショックでした。海外にいたときは会議は長くて1時間、というのが普通でした。1時間を超える会議は、大きな会議以外にはほとんどなかったです。
日本では1時間を超える打ち合わせが本当に多いです。しかも何も具体的に決まらず、結局、次回に持ち越される、というパターンが多すぎます。
外国では1時間の会議で次にやることがしっかり決まっていきます。
マネジメントがバシっと決められない
日本ではマネジメントと言えども、色々な関係部署や関係者に根回しをして、周りを固めてみんなの総意として決めていく伝統的なやり方が今も行われています。
海外では、責任者が自分の判断で物事を決めていくので、意思決定のスピードは格段に違います。
この意思決定のスピードの差は全体の仕事ではとてつもなく大きな差に繋がります。(意思決定の結果、悪い結果となれば責任をとる必要はあります。)
英語を拒否する人が多すぎる
グローバル化と叫ばれる時代は終わって、グローバルなのが当たり前なのが今の世の中です。そんな中でも日本だけは英語すら拒否反応をする人が多すぎです。英語を拒否する人に英語の仕事が回せないことは全体の効率を悪くしています。
外国ではオフィスで働いているような人であれば英語を使って仕事をすることくらいは誰でもできるものです。
本業以外の活動(○○係、○○委員会、清掃、朝礼など)が多過ぎる
日本の会社で驚きなのが、朝礼や係など本業以外にやることが多すぎることです。日本の学校でやってきたことがそのまま会社でも行われています。
もちろん日本的価値観として、清掃は自分たちで行うことなどで、愛社精神や意識が高まるという効果があることは理解しています。
ただ、私達が掃除や係の仕事をしている間に、ライバルは本業の、自分のやるべきミッションを進めているということは事実です。
まとめ・根本的な問題
色々と日本の悪口を書いてきました。日本が大好きな私としても心苦しい限りです。ただ、これらのことは根本的に下記のような、日本の社会の構造や伝統的な文化が問題の根底にあると考えます。
■転職が簡単にできない、と考えられていた(実際できなかった)
■失敗が許されない風潮(失敗できないから自分だけでは決められない)
■失敗しても責任を取れない(会社を辞めたら転職できない)
■失敗できないから、細かいデータを見たくなる、自分の目で確かめないと部下を信じることが出来ない。だから資料が必要になる。
■一つの会社で長く経験を積み、会社が社員を家族のように守るのが普通だった。
■外国語を使うことが恥ずかしい、珍しいという固定観念
■日本はとても優秀な国なので、日本以外の国がなくても日本はやって行けそうな気がしてしまう
日本の文化や価値観を変えるのは一朝一夕ではできないことです。
何でも裏を返せば強みにもなるはず。
日本の強みを生かして、日本全体がさらに発展していけばいいなぁ、と思いつつ、私もまた一人の日本人として、日本の企業で頑張って働いていこうと思います。
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