子どもが生まれると、将来のお金について考える機会が一気に増えます。
特に気になるのが、教育費ではないでしょうか。
- 教育費って、結局いくら必要なの?
- 学資保険には入った方がいいの?
- 預金だけで準備して大丈夫?
- NISAや投資も使った方がいい?
- わが家の場合、毎月いくら準備すればいい?
子どもの将来のために何か準備したい。
でも、何から始めればいいのか分からない。
そんなときによく候補に上がるのが、学資保険です。
ただ、学資保険は「子どもが生まれたら何となく入るもの」と決めつける必要はありません。
大切なのは、学資保険に入るかどうかよりも、教育費がいつ・いくら必要になるかを把握することです。
そのうえで、預金、NISA、保険など、家庭に合った方法を選ぶ方が現実的です。
この記事では、教育費の目安、学資保険のメリット・デメリット、教育費の準備方法、ライフプラン表で確認すべきポイントを解説します。
この記事でわかること
- 子どもの教育費の目安
- 学資保険の基本的な仕組み
- 学資保険のメリット・デメリット
- 学資保険が向いている家庭・向いていない家庭
- 教育費を準備する方法の考え方
- ライフプラン表で教育費を見える化する方法
教育費と将来のお金を見える化したい方へ
ライフプラン表テンプレートでは、子どもの年齢、進路別の教育費、将来収支、資産推移をまとめて確認できます。
学資保険に入るかどうかを考える前に、まずは「わが家はいくら準備が必要か」を数字で整理してみませんか?
結論:学資保険は「必要な家庭もある」が、全員に必要なものではない
最初に結論から言うと、学資保険は全員に必要なものではありません。
ただし、「絶対に不要」とも言い切れません。
学資保険が合う家庭もあれば、預金やNISA、別の保険、家計の見直しを優先した方がよい家庭もあります。
大切なのは、学資保険に入るかどうかを先に決めるのではなく、教育費準備の全体像を考えることです。
教育費準備で先に考えたいこと
- 子どもの教育費はいつ必要になるか
- 大学進学時にいくら準備しておきたいか
- 毎月いくらなら無理なく積み立てられるか
- 親に万が一があった場合の保障は足りているか
- 預金・投資・保険をどう使い分けるか
教育費は、子どもが18歳になる頃に急に必要になるものではありません。
幼稚園、小学校、中学校、高校、大学と、進路によって必要になる金額やタイミングが変わります。
そのため、まずはライフプラン表で、教育費がかかる時期を確認しておくことが大切です。
子どもの教育費はいくら必要?
教育費は、進路によって大きく変わります。
公立中心で進む場合と、私立を多く選ぶ場合では、必要額にかなり差が出ます。
また、大学進学時には、学費だけでなく、自宅通学か一人暮らしかによって生活費も変わります。
幼稚園から高校までの教育費の目安
文部科学省の「令和5年度 子供の学習費調査」では、学校教育費・学校給食費・学校外活動費を含めた学習費総額が公表されています。
年額の目安は、以下のとおりです。
| 学校種別 | 公立 | 私立 |
|---|---|---|
| 幼稚園 | 約18.5万円/年 | 約34.7万円/年 |
| 小学校 | 約36.7万円/年 | 約174.2万円/年 |
| 中学校 | 約54.2万円/年 | 約156.0万円/年 |
| 高校 | 約59.7万円/年 | 約117.9万円/年 |
※文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」をもとに、万円単位で概算表示しています。実際の金額は地域、学校、塾・習い事、家庭の方針によって変わります。
公立中心でも教育費はかかりますが、私立を選ぶ時期が増えるほど、家計への影響は大きくなります。
特に小学校や中学校から私立を考える場合は、早めにライフプラン表へ反映しておきたいところです。
大学費用は学費だけでは考えない
大学費用は、教育費の中でも大きな支出になりやすい時期です。
私立大学の場合、令和7年度の初年度納付金等の平均は約150.8万円と公表されています。
さらに、大学は学費だけではありません。
- 入学金
- 授業料
- 施設設備費
- 教材費・パソコン代
- 受験費用
- 通学費
- 一人暮らしの家賃・生活費
- 仕送り
自宅外から通う場合は、生活費の負担も考える必要があります。
つまり、教育費を考えるときは、「大学の学費」だけでなく、「大学時代に家計から出ていくお金全体」を見ることが大切です。
教育費は「総額」よりも「タイミング」が大切です
教育費は、何歳のときに、どれくらい必要になるかを見ることが重要です。兄弟姉妹がいる場合は、教育費のピークが重なることもあります。
学資保険とは?基本的な仕組み
学資保険とは、子どもの教育資金を準備するための貯蓄性のある生命保険です。
毎月決まった保険料を払い込み、子どもの進学時期や満期時に学資金を受け取る仕組みです。
商品によって、祝い金が途中で出るタイプや、大学入学時にまとまったお金を受け取るタイプなどがあります。
学資保険の特徴としてよく挙げられるのが、契約者である親に万が一のことがあった場合、以後の保険料の払い込みが免除される仕組みです。
この点は、預金にはない保険ならではの機能です。
学資保険の基本
- 教育資金を準備するための貯蓄性保険
- 毎月決まった保険料を払う
- 満期時や進学時に学資金を受け取る
- 契約者に万が一があった場合、保険料払込免除がある商品も多い
- 途中解約すると元本割れする場合がある
ここで大事なのは、学資保険は「貯金そのもの」ではなく、保険商品だということです。
そのため、貯蓄性だけでなく、保障内容、返戻率、解約時の扱い、保険料払込免除の条件などを確認する必要があります。
学資保険のメリット
学資保険には、次のようなメリットがあります。
1. 強制的に教育費を準備しやすい
学資保険は、毎月決まった保険料を支払うため、教育費を計画的に準備しやすいです。
普通預金だとつい使ってしまう方にとっては、強制的に積み立てられる点がメリットになります。
自分で貯めるのが苦手な家庭には、仕組み化しやすい方法です。
2. 親に万が一があった場合に保険料払込免除がある
商品によりますが、契約者である親に万が一があった場合、以後の保険料の払い込みが免除されるものがあります。
それでも契約は継続し、予定どおり学資金を受け取れる仕組みであれば、万が一への備えにもなります。
これは、預金にはない学資保険の特徴です。
3. 目的を教育費に絞りやすい
教育費用として契約するため、他の目的に使いにくいという面があります。
これは自由度が低いとも言えますが、教育費を確実に分けておきたい家庭にはメリットになります。
学資保険のデメリット
一方で、学資保険には注意点もあります。
1. 途中解約すると元本割れしやすい
学資保険は長期契約です。
途中で解約すると、解約返戻金がそれまでに支払った保険料を下回る場合があります。
教育費を準備するために入ったのに、家計が苦しくなって途中解約してしまうと、かえって損をする可能性があります。
そのため、加入するなら、最後まで無理なく払い続けられる保険料かを確認することが大切です。
2. インフレに弱い場合がある
学資保険は、契約時に将来受け取る金額がある程度決まっている商品が多いです。
そのため、物価が上がった場合、将来受け取る金額の実質的な価値が下がる可能性があります。
教育費も年々変化するため、固定された金額だけで足りるとは限りません。
3. 返戻率だけで選ぶと危険
学資保険を選ぶとき、返戻率を重視する方は多いです。
返戻率とは、支払った保険料に対して、将来どれくらい戻ってくるかを見る指標です。
ただし、返戻率だけで選ぶのは危険です。
- 途中解約時の返戻金
- 保険料払込免除の条件
- 受け取り時期
- 保障内容
- 家計への負担
こうした点も含めて判断する必要があります。
学資保険が向いている家庭
学資保険は、次のような家庭には向いている場合があります。
学資保険が向いている家庭
- 自分で教育費を貯めるのが苦手
- 教育費を他のお金と分けて管理したい
- 投資の値動きが不安
- 親の万が一に備えながら教育費も準備したい
- 毎月の保険料を無理なく払い続けられる
特に、預金に置いておくと使ってしまう方にとっては、学資保険の「簡単には引き出せない」仕組みがプラスに働くこともあります。
学資保険が向いていない家庭
一方で、次のような家庭は、学資保険以外の方法も検討した方がよいかもしれません。
学資保険が向いていない可能性がある家庭
- 途中で保険料の支払いが厳しくなりそう
- すでに十分な死亡保障がある
- 教育費の一部を投資で準備したい
- 資金の自由度を重視したい
- インフレへの備えも考えたい
教育費準備は、学資保険だけが正解ではありません。
預金・投資・保険をどう組み合わせるかを考えることが大切です。
学資保険以外の教育費準備方法
教育費の準備方法には、学資保険以外にもいくつかあります。
それぞれメリット・デメリットがあるため、家庭の状況に合わせて組み合わせるのがおすすめです。
1. 預金で準備する
もっともシンプルなのは、預金で準備する方法です。
普通預金、定期預金、専用口座などを使って、教育費用のお金を分けておきます。
預金のメリットは、元本割れしにくく、必要なときに使いやすいことです。
一方で、金利が低い場合は大きく増やすことは期待しにくく、インフレには弱い面があります。
大学入学時期が近いお金は、値動きの少ない預金で準備しておくと安心です。
2. NISAで準備する
教育費まで時間がある場合は、NISAを使って投資信託などで積み立てる方法もあります。
長期間運用できる場合、預金よりも資産を増やせる可能性があります。
ただし、投資には値動きがあります。
大学入学直前に大きく下落する可能性もあるため、教育費のすべてを投資で準備するのは慎重に考えたいところです。
NISAを使う場合は、必要時期が近づいたら、少しずつ安全資産へ移すなどの出口設計も重要です。
3. 生命保険で万が一に備える
教育費準備で忘れてはいけないのが、親に万が一があった場合の保障です。
学資保険には保険料払込免除がありますが、親が亡くなった場合に家族の生活費全体を十分にカバーできるとは限りません。
本当に困るのは、教育費だけでなく、生活費や住居費なども含めた家計全体です。
そのため、親の万が一に備えるなら、学資保険だけではなく、死亡保障全体を確認することが大切です。
4. 外貨建て保険や貯蓄性保険を使う場合
外貨建て保険や貯蓄性のある生命保険を、教育費準備の一部として検討する方もいます。
ただし、外貨建て保険には為替リスクがあります。
外貨ベースでは予定どおりでも、円に戻すタイミングによっては、円ベースで元本割れする可能性があります。
また、保険関係費用や為替手数料なども確認が必要です。
外貨建て保険を検討する場合は、「利率が高そう」だけで判断せず、為替リスク・手数料・途中解約時の返戻金・受け取り時期を必ず確認しましょう。
教育費準備の考え方
- 近い将来に使うお金は預金中心
- 長期で使わないお金は投資も選択肢
- 親の万が一には死亡保障で備える
- 保険は保障と貯蓄の役割を分けて考える
- 商品を決める前に、必要額と時期を確認する
教育費準備で一番大切なのは、必要額と時期を見える化すること
学資保険、預金、NISA、生命保険。
いろいろな選択肢がありますが、最初に商品を選ぶ必要はありません。
まずやるべきことは、わが家に必要な教育費の金額とタイミングを見える化することです。
たとえば、次のようなことを確認します。
- 子どもが大学に入るのは何年後か
- 大学入学時にいくら準備しておきたいか
- 兄弟姉妹の教育費が重なる時期はあるか
- 毎年どれくらい貯蓄できているか
- 教育費を払ったあと、老後資金の準備期間はどれくらい残るか
この整理をしないまま、何となく学資保険に入ったり、何となく投資を始めたりすると、後から家計に合わないことに気づく場合があります。
ライフプラン表で教育費をシミュレーションする
教育費を現実的に考えるには、ライフプラン表を作るのがおすすめです。
ライフプラン表では、家族の年齢、収入、支出、貯蓄額、教育費、ライフイベントなどを年ごとに整理できます。
子どもの進路や教育費を入力すると、将来の資産推移にどう影響するかを確認できます。
ライフプラン表で確認できること
- 子どもの年齢ごとの教育費
- 大学費用が必要になるタイミング
- 年間収支の推移
- 将来の資産残高
- 教育費と老後資金のバランス
- 毎年どれくらい貯蓄できそうか
学資保険に入るか、預金で準備するか、NISAを使うか、保険を見直すか。
こうした判断は、ライフプラン表で全体像を見た後の方が考えやすくなります。
教育費を家庭ごとにシミュレーションしたい方へ
ライフプラン表テンプレートでは、子どもの進路や教育費を入力し、将来の家計への影響を確認できます。
「学資保険に入るべきか」ではなく、「わが家はいくら準備が必要か」から考えたい方におすすめです。
教育費準備の前に、現在の家計も確認しよう
教育費を準備するには、現在の家計状況も大切です。
毎月の収入、支出、貯蓄額が分からないままでは、毎月いくら教育費に回せるか判断しにくいからです。
たとえば、次の数字を確認しておくと、教育費準備が考えやすくなります。
- 年間収入
- 年間支出
- 年間貯蓄額
- 貯蓄率
- 固定費・変動費のバランス
- 赤字になりやすい月
教育費は将来のお金ですが、その準備は今の家計から始まります。
現在の家計を整えることが、教育費準備の土台になります。
現在の家計もあわせて確認したい方へ
家計簿テンプレートでは、マネーフォワードMEのデータを使って、年間家計・費目別支出・貯蓄率・固定費/変動費・家計診断を確認できます。
現在の年間支出や貯蓄率が分かると、教育費準備やライフプラン表のシミュレーションも作りやすくなります。
家計簿とライフプラン表の違いについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
家計簿とライフプラン表の違いとは?まずどちらから作るべきかを解説
教育費準備は「保障」と「貯蓄」を分けて考える
教育費準備でよく混ざってしまうのが、保障と貯蓄です。
学資保険は、教育費の貯蓄と、親の万が一への備えが一体になっている商品です。
それが分かりやすいメリットになる一方で、保障と貯蓄を分けて考えた方が、家計に合う場合もあります。
分けて考えるポイント
- 教育費を貯める方法:預金・NISA・学資保険など
- 親の万が一に備える方法:死亡保障・収入保障保険など
- 家計を整える方法:固定費の見直し・貯蓄率の確認など
教育費だけに注目すると、家計全体のバランスを見落とすことがあります。
教育費も大切ですが、生活費、老後資金、緊急時の予備費も大切です。
だからこそ、教育費準備はライフプラン全体で考えることが重要です。
よくある質問
学資保険は入らない方がいいですか?
一概には言えません。
自分で貯めるのが苦手な方や、教育費を確実に分けておきたい方には向いている場合があります。
一方で、途中解約リスク、返戻率、インフレ、資金の自由度を考えると、他の方法も比較した方がよい家庭もあります。
教育費は預金だけで準備しても大丈夫ですか?
大学入学時期が近いお金は、預金で準備しておくと安心です。
ただし、教育費まで10年以上ある場合は、一部をNISAなどで長期運用する選択肢もあります。
ただし投資には値動きがあるため、必要時期が近づいたらリスクを下げる工夫が必要です。
NISAで教育費を準備してもいいですか?
教育費まで時間がある場合は選択肢になります。
ただし、投資なので元本保証はありません。
教育費のすべてを投資で準備するのではなく、預金と組み合わせるなど、リスクを分散するのがおすすめです。
親に万が一があった場合は、学資保険だけで足りますか?
学資保険の保険料払込免除は役立つ場合があります。
ただし、親に万が一があった場合に必要なのは教育費だけではありません。
残された家族の生活費、住居費、教育費などを含めた保障全体を確認する必要があります。
まず何から始めればいいですか?
まずは、教育費がいつ・いくら必要になりそうかを確認しましょう。
ライフプラン表で教育費の時期と金額を見える化し、現在の家計から毎月いくら準備できるかを考えるのがおすすめです。
まとめ:学資保険に入る前に、教育費と家計全体を見える化しよう
学資保険は、教育費準備のひとつの選択肢です。
ただし、すべての家庭に必要なものではありません。
大切なのは、学資保険に入るかどうかを先に決めることではなく、教育費の必要額と時期を確認することです。
この記事のまとめ
- 教育費は進路によって大きく変わる
- 学資保険は教育費準備の選択肢のひとつ
- 学資保険は強制的に貯めやすい一方、途中解約やインフレに注意
- 預金・NISA・保険を家庭に合わせて組み合わせることが大切
- 教育費準備はライフプラン表で必要額と時期を確認してから考える
子どもの教育費は、家族にとって大切なお金です。
だからこそ、何となく商品を選ぶのではなく、まずは数字で見える化してみましょう。
教育費は、商品選びよりも先に、わが家に必要な金額と時期を知ることが大切です。
教育費と将来のお金を、ライフプラン表で見える化しませんか?
ライフプラン表テンプレートでは、教育費・将来収支・資産推移をまとめて確認できます。
学資保険やNISAを考える前に、まずはわが家のお金の流れを整理してみましょう。